「あなたのための物語」を読み終えて
こんばんは!
もうすぐ梅雨の季節がやってきますね。
毎年この時期は気が滅入りがちなので、趣味に時間を割いて夏まで耐えたいと思います笑
今日は昨日読み終えたばかりの「あなたのための物語」という小説を簡単にご紹介したいと思います。
物語のコアには触れないようにするので、興味はあるけどネタばれが心配!という方も読んでいただければと思います。
目次
著者・長谷敏司
私はアニメ「BEATLESS」 の原作者として初めて長谷先生を知りました。
BEATLESSの原作イラストを手掛けていたのがredjuice先生であったことがきっかけです。(redjuice先生はEGOISTを生み出したギルティクラウンのキャラクター原案者です)
代表作は第35回SF大賞を受賞した「My Humanity」
他に私が購入した作品に、「BEATLESS」「あなたのための物語」があり、いずれも人工知能を題材としたSF作品です。
世界観
舞台は西暦2083年のシアトルです。
温暖化の影響により海水面が上昇した結果、シアトルは雨と霧の街となっていました。
今から半世紀強が過ぎた未来において、街は歴史あるかつての建造物とモダンな外見の建造物が不思議と調和した姿を見せています。
エネルギー危機に伴う貧困の時代を越え、宇宙開発に活路を見出した直後の世界が舞台となります。
あらすじ
サマンサ・ウォーカーは敬虔なキリスト教徒の家で育ったが 、信仰に頼る古い考え方の母親と折り合いが付かず15才で家を出ました。
「現実への抵抗」として研究を続けた彼女は、人間の脳内に人工的に神経経路を作り上げる人工神経制御言語・ITPの開発者として”成功”を果たします。
宇宙開発において事故は日常的かつ致命的なものであり、熟練した技術者の経験を伝達する手法として時代のニーズにあっていることも背中を押しました。
物語は34才になった彼女が不治の病にかかり、余命半年を宣告されて始まります。
開発の手が宇宙に及ぶ未来においても、人は100年前と同じように必ず死にます。
ITPの実験用に作られた、人工神経回路によって生まれた仮想人格<<wanna be>>。
ITP使用者が創造性を発揮できることを証明するために作られた、肉体を持たない
<<彼>>は彼女のための物語を語り始めます...。
感想
避けられない「死」に対する恐怖・怒り・やるせなさをこれでもかと繰り返し表現した作品です。元気があるときに読んだ方がいいかもしれません笑
「死は鏡だ」
この小説で何度も出てくる言葉です。
SF小説の中にはヒトが肉体を捨て精神(脳)の世界に至ることで死を克服する、というシナリオの物も多くあります。
死を克服した人類は幸せだろうかと思ったり...
肉体的死を持たない<<wanna be>>や"別の"仮想人格とのやり取りなど、ハッとすることがあるかもしれません。
興味を持たれた方は是非読んでみてください。
それでは今回はこの辺で!
~Think positive to be attractive~
Twitterもやっています!